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アメリカの教育
教育システム
学校の種類
現地校か日本人学校か
ESLプログラム
転入手続き
転入時の注意
学年の問題
 
アメリカの教育で日本と最も違う点は何でしょうか?
 

アメリカの公立学校は連邦政府ではなくそれぞれの州の統括となり、また市や町などの地方政府が実際に運営しています。このため全国で文部省のガイドラインやカリキュラムに沿って教育を行う日本と比べると、アメリカは学校によって方針や授業内容などに個性・多様性が見られます。こういった意味では全体の平均的教育レベルに一貫性がない反面、子供の個性や創造力、独自の思考力・表現力を重視している教育と言えるでしょう。またこれらの学校の運営は、主に州からの補助金と地域住民の不動産税金から賄われているので、その地域独自の教育理念が生まれたり、貧富の差から教育レベルにも格差が生じています。つまり、裕福な家庭が多く住む地域は学校の教育環境やレベルも良いのですが、都市部など貧しい家庭や移民などが多い地域は必然的にレベルも低下し、学校の治安そのものにも問題があるのが現状とされています。

 
 
教育システムはどのようになっているのでしょうか?
 

アメリカでは4歳以下からプレナーサリー、ナーサリー・スクール(保育園)で幼児教育を始めるのが一般的です。4〜5歳でキンダーガーテン(幼稚園)、5歳〜6歳で小1となりますが、州によっては生まれた年で学年を判断するところも多いようです。学年制度も地域によって異なりますが、エレメンタリースクール(小学校)は5年生まで、ミドルスクール(中学校)は6年生から8年生まで、そしてハイスクール(高校)は9年生から12年生という制度が一般的です。

 
 
学校の種類にはどのようなものがあるのでしょうか?
  アメリカの学校の種類としては、公立校、インターナショナルスクールを含めた私立校、そして日本人学校などがあります。公立校は基本的にその地域に住んで税金を払っていれば、校区の学校に入学ができ、授業料も無料です。しかし先述のように、地域の貧富の差などによって学校の環境やレベルも格差があるので、住居を決定する際から校区の学校を考慮に入れておくことが重要です。私立の場合は入学のためにはテスト、面接、それまでの成績などで審査されるのが一般的です。教育レベルや環境は保証されますが、授業料やその他諸費などがかかり、日本の大学並みの出費になることもしばしばあります。日本人学校はアメリカでも限られた地域にしか存在しませんが、基本的には私立学校とみなされ授業料がかかります。滞在期間が短い子供や、母国語形成時期、重要な学習時期の子供達にはそのまま日本語で教育を続けるのが理想的でしょう。  
 
子供を学校にいれるのに、現地校か日本人学校か迷っています。どちらがよいでしょうか?
 

アメリカに来る日本人家庭のほとんどが、「子供に英語を身につけてほしい」という願いを強く持っているようですが、まず大切なのは、現地校は英会話学校ではなく、科目を学習する所だということを強く認識しておくことでしょう。英語はあくまでも母国語や学習上の基礎が固まった上でのプラスアルファーと考えるべきで、これらを放って「まず英語」とすると、危険が伴うこともあります。現地校にうまく適応する子もいれば、そうでない子もおり、現地校に行って必ずしもバイリンガルになるとは限りません。これには子供の能力や素質、性格、年齢、家庭環境など様々な角度から、客観的かつ現実的に子供を見て判断することが必要となります。例えば学習的素質に関して、もし日本で学習や国語能力があまり高くない子供の場合、日本語でそれらをしっかり伸ばすことを重視したほうが良いと思われます。簡単に言えば、日本語で学習が思うように行かず、読書・作文等も得意でない子供が、英語で学習するというのは、能力以上のことを要求されている可能性があり、本人にとっては非現実的で相当な負担となりえます。これは精神的にも過酷なもので、あまり勧められません。また性格面から言うと、積極的・社交的な子は、早く友達を作りたい、話したい、という欲求が強く、勇気を出して英語を使い、現地に適応するのも早いものと思われます。これは親に関しても同じことで、特に現地校では親が学校と深い係わりを持ち、積極的な参加が望まれるので、家族挙げての相当な覚悟が必要となります。これらのことを念頭に置いて、子供を客観的にじっくり観察し、親の理想よりも、本人にとってどちらがベストかで考えたいものです。

 
 
アメリカの学校には、英語を教えてくれるESLプログラムというのがあるときいたのですが、どの学校にもあるのですか?
  アメリカの州によっては、英語を母国語としない子供が学校や学年で、ある一定の数以上に達すると、ESL(English as a Second Language) プログラムを設けなくてはいけないという法律があります。このため、移民や駐在家庭が住む地域ではESLがあることが多いようです。このESLでは、子供達は第二言語としての英語を学び、学年レベルの学習についていける英語力まで、約3年を目標に到達するのがねらいとされています。しかしその速度や到達度は子供の年齢や能力、環境によっても違い、特に読み書きは家庭学習にも重点を置いていくことが望まれます。ESLのカリキュラムやレベル分け、教授方法は学校によって全く異なることもありますので、転入前にリサーチしておくのが良いでしょう。  
 
転入手続きはどのようにしたらよいのでしょう?
  公立の場合はまず校区の学校を訪問してみましょう。その際に持参するものとしては、子供のパスポート(出生証明書の代わり)、家の賃貸契約書(学区内に居住している証明)、日本での成績証明書(英訳したもの)の3点が必要です。これらを提示し、子供を転入させたいと言えば、転入書類がもらえます。この書類の中には、子供の性格や生い立ちを学校が知るために親が記入するもの、また医療用のメディカルフォームとがあります。メディカルフォームは現地の医師に健康診断と予防接種を受けた上で記入してもらいます。この時英訳した母子手帳(今までの予防接種記録)が必要となります。これら全ての書類を学校に提出すると転入許可がおります。  
 
転入時の注意として何かありますか?
  転入時の注意事項としては、当日惑わないように子供本人が学校のシステムや規則を学んでおく必要があります。例えば現地校は休み時間がほとんどないので、トイレに行きたい時、"May I go to the bathroom?"と言えること、カフェテリアの使い方や、気分が悪い時はどうする、なども知っておくことなどです。余裕があれば先生の指示語や基本的な学習用語も覚えておきたいものです。現地校では、会話よりも読み書きや毎日の学習をこなすことのほうが重用視されるのが通常で、読み書きは、意識して覚えていくというかなりの勉強が必要となります。実際在米3年になる子供でも、算数で指示や文章題が読めないために問題が解けない子供達が多数いるのが現状です。このようなことに直面するであろう覚悟と、乗り越えていくための努力が必要です。親への注意点としては、子供に「早く英語を覚えてお母さんを助けてね。」という態度は逆効果とされます。子供は最初の1年は何もわからずかなり苦労をする可能性がありますので、親も一緒になって英語習得する姿勢が必要です。ボランティア活動にも積極的に参加し、先生に「◯◯ちゃんのお母さん」と顔を覚えてもらう、普段から何かあれば気軽にすぐ先生や校長と話ができる状況を作っておくのが理想的と思われます。アメリカの学校は、そういった意味で非常に開かれているので、それをうまく利用することが望まれます。  
 
4月始まりの日本と9月始まりのアメリカには学年の問題がありますが、どう解決したらよいのでしょう?
  アメリカでは新学年は9月から始まり、6月半ばに終わるため、日本の4月始〜3月終という学年度制度とずれが生じます。気をつけたいのは、現地校では日本のこのシステムを知らず、生まれた年や満何歳だから何年生、と自動的に決められてしまうことです。しかしこれでは、例えば日本で1年生を終えたばかりの子供が4月に来米し、現地校では年齢に応じて2年生に編入し、しかし6月に2年生は終了、9月からはいきなり3年生になってしまいます。この子供は2年生をほとんど飛ばしてしまったことになり、英語がわからないどころか学習も高度な内容になってしまう可能性があります。そこで転入の際には必ず現地校にこの日米の学年の違いを説明し、現地校の年齢に合わせると8ヵ月も先に進んでしまうことを認識してもらい、できれば1学年低く編入させてもらうように頼むのが望ましいと思われます。実際アメリカの大きな都市の日本人集中地区を見てみると、日本人子弟が1学年下げて現地校に編入するのは、全くめずらしいことではないようです。